ごつこらです!今日解説するオペラは『ドン・パスクワーレ』。
日本で1番有名なオペラ群には入らないけれど、それでもそれなりに有名で国内でもそれなりに上演されているオペラです。
作曲家はドニゼッティ
『ドン・パスクワーレ』を作曲したのは、ドニゼッティ。
これまた超有名なモーツァルトやベートーヴェンと比較したら知名度が低い作曲家ですが、実はオペラ界ではけっこう有名です。
『ランメルモールのルチア』や『愛の妙薬』、『アンナ・ボレーナ』など現代でも上演されるオペラをいくつも残しています。
その割に知名度が高くないのは、オペラ以外の楽曲があまり演奏されないからではないかと思います。
オペラはクラシックの中でもどちらかというとマイナーなので、オーケストラやピアノの曲がたくさん残っているモーツァルトやベートーヴェンほどには知られていないのは仕方のないこと。
登場人物(4人だけ!)
では、まずは『ドン・パスクワーレ』の登場人物紹介です。
今回はとてもシンプルで、4人だけでーす。
登場人物が多いとストーリーを追いにくくてうまく楽しめないことがあるので、この簡潔さが初心者向けですよね。
- ドン・パスクワーレ(♂)・・お金持ちのおじいさん
- マラテスタ(♂)・・・・・・ドン・パスクワーレの知人で、エルネストの友達
- エルネスト(♂)・・・・・・ドン・パスクワーレの甥で、ノリーナとは恋人同士
- ノリーナ(♀)・・・・・・・エルネストと恋人同士
オペラのタイトルの『ドン・パスクワーレ』というのは主人公の名前です。
「ドン」は「ドン・キホーテ」の「ドン」と同じく敬称ですね。
日本語では『パスクワーレさん』だと一般的な敬称すぎるので、もう少し威厳のある呼び方のイメージなのですが良い表現が思い浮かばないですね . . . 。
あらすじの紹介
物語のはじまり
エルネストよ、おまえにはたくさん財産をやるから、わしの見立てた娘と結婚しなさい。
おれはノリーナと付き合ってるからほかの人と結婚なんて嫌だよ!
なんじゃと!!
そんなこというならもう知らん!!
わし自身が結婚して財産はわしの妻子に残すわぃ。
おまえには1銭も残さんからな!!
そんな〜 . . . 。
. . . え?
ていうか、パスクワーレおじさんもう 70歳だよね . . .。
てな感じで物語は始まります。
パスクワーレおじいさんはもう70歳。はたして若い奥さんはゲットできるのか?!前途多難の婚活物語!!
. . . なんていうストーリーではもちろんなくて。
(でも70歳くらいっていう設定は本当らしい。)
エルネストとノリーナの結婚をパスクワーレに認めさせようと奮闘する、ちょっと無理やりなドタバタ劇です(本当)。
(ちなみに今これを書きながら聴いているのは偶然にも『セビリアの理髪師』ですが、『ドン・パスクワーレ』とどちらのほうがドタバタかというと、それはもう『セビリアの理髪師』です。)
ストーリー
さて、自分が結婚することにしたパスクワーレは、結婚相手に良さげな若い女性を探してほしいと知人のマラテスタに依頼します。
が、残念ながらパスクワーレは依頼する相手を完全に間違えました。
なぜならば。マラテスタはこの機会に、エルネストとノリーナが結婚できるように策略を考えることにしたのです!!
マラテスタはまずノリーナに声をかけて、パスクワーレのお見合い相手になってほしいと伝えます。
作戦はこうです。マラテスタに妹がいることにして、ノリーナにはその妹のフリをしてもらってパスクワーレに気に入ってもらいます。
早速、作戦は決行されました。
何も知らないエルネストはパスクワーレのお見合い相手がノリーナなのを見てぎょっとします。
考えがあるからとエルネストをなだめるマラテスタ。
一方、パスクワーレはおしとやかな “ソフロニア” (ノリーナの演じるマラテスタ妹)をとっても気に入って、結婚することに決めます。
ところが、結婚が決まり、パスクワーレが財産分与の書類にサインをした途端、 “ソフロニア” がパスクワーレのお金を使いまくります。もちろんパスクワーレの言うことももう聞きません。
日に日にひどくなる “ソフロニア” の態度と浪費。
そんなある日、 “ソフロニア” は家を出るときに何やら手紙?を落とします。
パスクワーレはそれを拾い中身を読むと、浮気相手との密会の約束が書かれています。そうです、この手紙はわざと落としたもの。
パスクワーレはマラテスタとともに密会場所に向かいますが、浮気現場を押さえることはできません。
それでもパスクワーレは “ソフロニア” を問い詰めますが、浮気の事実を認めてもらえません。
はぁぁ . . . 。
こんなことならエルネストに財産を分ければよかった . . . 。
そこへやってきたマラテスタとエルネスト。エルネストも結婚を決めたので花嫁を紹介したいとのこと。
ほかに若い女性がやってくるのが気に入らない “ソフロニア” は家から出ていきます。
代わりにやってきたのはエルネストの結婚相手のノリーナです。
もうすっかりエルネストに財産を分ける気になっていたパスクワーレは、ふたりの結婚を認めて、めでたしめでたしです。
そして、最後に “ソフロニア” の正体が種明かしされます。
いかがでしたか?
『ドン・パスクワーレ』にはオペラ特有の愛憎劇みたいなのがないので(喜劇なのでそりゃそうなのですが)ちょっと物足りない気がしますが、逆にシンプルなオペラとして親しみやすいと思います。
機会があったら観に行ってみてくださいね!
ほかにもオペラ初心者におすすめの演目はありますよ。
コメント