今回は、ストーリーを解説したら一目おかれること間違いなし!
それほどややこしいオペラ『ニーベルングの指環』から、『神々の黄昏』の部分を紹介しちゃいます!
ごつこらが『神々の黄昏』がはじめて気になったとき、気になった理由はただただその題名の響きでした。
『神々の黄昏』っていう言葉の響きがとっても美しいけれど、その情景を想像するとアンニュイな感じ。
この9音の題名にすっかり虜になってしまったのです。
実際のストーリーは、世俗的な中に、超越した神の力が混ざっているような感じですよ!
(この表現は伝わるのか . . . ?はたして誰かに伝わるのか . . .?)
神々の黄昏に関する事前知識
神々の黄昏は『ニーベルングの指環』という一連のオペラの最後の部分です。
ニーベルングの指環は
- ラインの黄金
- ワルキューレ
- ジークフリート
- 神々の黄昏
の4つに分けて上演されますが、全体が時系列でストーリーになっています。
この一連のオペラは、4作品すべての作曲に26年間もかかった大作。
(全部を鑑賞するのに 14時間半 もかかるという意味でも大作。)
ちなみに、オペラの台本が作られた順番は
神々の黄昏 → ジークフリート → ワルキューレ → ラインの黄金
の順で、つまり後ろから作られたことになります。
今回紹介する神々の黄昏は物語の最後の部分なので、それまでのストーリーを知っていると更に楽しめます。
た だ し、
『ニーベルングの指環』は話は面白いけれど、オペラになるとめちゃくちゃ長いです。
(飽きちゃうかもしれない . . . 。)
オペラ初心者には優しくないので要注意です!
神々の黄昏のあらすじ
それではあらすじです。
序幕
話をしている運命の女神たち
このオペラは、運命の女神たちが話をしているところから始まります。
ここまで、ラインの黄金 → ワルキューレ → ジークフリット と話が続いてきての神々の黄昏なので、連続ドラマでいうところの「これまでのあらすじ」みたいな感じでしょうか。
ここまでの物語を話したあと、この後どうなっていくのかについても話しています。ここでもざっくりとあらすじがつかめますよ。
旅に出るジークフリートと家で指環を預かる妻のブリュンヒルデ
さて、ここからが神々の黄昏のストーリーの本題です。
前作の「ジークフリート」で出会ったジークフリートとブリュンヒルデが登場します。
そして早速、指環もここで登場します。この指環、いわくつきで、持っていると死んでしまうと言われているものなのですが、ジークフリートにはその呪いが効きません。
この指環をブリュンヒルデに預けて、ジークフリートは旅に出ます。
第1幕
3人兄妹のグートルーネ、グンター、ハーゲンに惚れ薬を飲まされるジークフリート
場面は変わって、別の家での話になります。
ここには3人の兄妹がいて、男性のグンターとハーゲン、女性のグートルーネです。この中でハーゲンだけ異父兄です。
異父兄弟のハーゲンは、グンターの妻にふさわしい女性とグートルーネの夫にふさわしい男性を知っているという話をします。実は、それがジークフリートとブリュンヒルデのこと!
ハーゲンは2人をそそのかして、やってきたジークフリートに惚れ薬を飲ませることに成功します。
ジークフリートは惚れ薬が効いて、すっかりグートルーネに夢中になります。
ブリュンヒルデのことを忘れてしまったジークフリートに対して、グンターの妻にするためにブリュンヒルデを迎えに行くようにと頼みます。
指環を求めてブリュンヒルデのもとにやってくる人々 ―ブリュンヒルデの妹と、グンターになりすましたジークフリート―
次のシーンはジークフリートとブリュンヒルデの家に戻ります。
ブリュンヒルデは実はもともと神の一家の出身。そこに妹が訪ねてきて、父親である神と一家を救いたい、そのためにジークフリートの指環が欲しいと助けを求めにやってきます。
それに対してブリュンヒルデは指環を渡すことはできないと断ります。諦めて帰っていく妹…。
そこへ、ジークフリートが戻ってくる音がします。ですが、それはグンターになりすましたジークフリートでした。
グンターになりすましたジークフリートは、ブリュンヒルデから指環を奪い取ってしまいます。
第2幕
父アルベリヒからジークフリートを殺すよう指示されるハーゲン
今度のシーンは、3人兄妹のうちの異父兄、ハーゲンの部屋。
ハーゲンの父がハーゲンにジークフリートを殺すようにと伝えます。
ハーゲンの父はアルベルヒというのですが、実はこの人こそが指環の呪いの元凶を作った人。
ライン川の黄金を奪って指環にし、それを奪われたときに死の呪いをかけたのでした。
ジークフリートの裏切りを知ったブリュンヒルデ
朝になり、ブリュンヒルデは3人兄妹の家に連れてこられます。
そこでブリュンヒルデは状況を知り、自分を騙したジークフリートとハーゲンたち3兄妹に対して怒ります。
そして、グンターとハーゲンに、騙した償いとしてジークフリートの死を要求します。
第3幕
第3幕は、ニーベルングの指環の壮大の物語の終わりです。
男性陣は森へ狩りに出かけます。
ライン川の黄金の元々の持ち主だった乙女たちは、ジークフリートが指環をしているのに気づきます。指環の持ち主は死んでしまうと警告をしてもジークフリートは聞く耳を持ちません。
その後、ジークフリートは身の上話を始めます。これは、ニーベルングの指環のここまでの物語でもあります。
しかし話の隙をついて、ハーゲンがジークフリートを殺害してしまいます。
家で待っていたグートルーネは、皆が帰ってきて状況を知ります。そんな中、ハーゲンは指環を奪おうとします。
すべてを知っているブリュンヒルデが最終的に指環を受け取ります。
自分はジークフリートとともに焼かれよう。指環はライン川の乙女に返そう。
物語の始まりとなった神々の城もジークフリートとブリュンヒルデとともに燃えていきます。
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