今日紹介する『セピリアの理髪師』は、初心者向けのとっておきオペラ。
これを観たらきっとオペラのハードルが下がるのでみんなに観てほしいです!
悲劇がとてもとてもとてもとても多いオペラですが、喜劇である『セビリアの理髪師』はコントを見ているような感じで楽しめます。
. . . そんなセビリアの理髪師の見どころは?
見どころ(コメディを楽しむ!)
『セビリアの理髪師』の見どころは、初心者であればその演出です。
このオペラは、簡単に言うとドタバタの喜劇です。そして、そのコメディをいかに楽しんでもらうかを演出家は考えていろんな小細工を仕掛けてきます。
そもそもがストーリーはドタバタ。
歌もときおり早口言葉状態。
そのうえ、コントみたいな演出がされていることもあります。
登場人物が追いかけ回したり。口をあんぐり明けたり。ほかの登場人物を踏んづけて(!)みたり。
もちろん演出は上演によってまちまちですが、まあ、こんな感じなんです。
ただ、このコントを最大限楽しむには、ストーリーを知っておくのが圧倒的におすすめ!
字幕があるとはいえ、歌詞はイタリア語なもので…。
あらすじ
(このあらすじは、オペラがはじめての方に向けて、ストーリーのわかりやすさ重視で書いています。
あらすじに出てくるセリフは劇中のセリフとは違いますので、ご了承を!)
おもな登場人物
- フィガロ・・・理髪師だけど、ほかのことも色々やる なんでも屋。ロジーナの家はお得意さま。
- アルマヴィーヴァ伯爵・・・フィガロ以外には身分を隠してリンドーロと名乗っている。
- ロジーナ・・・物語のヒロインだけど、後見人が監視していて家の中でほぼ軟禁状態。
- バルトロ・・・ロジーナの後見人で、ロジーナと結婚しようとたくらんでいる。
- ドン・バジリオ・・・ロジーナの家庭教師(音楽教師)
第1幕
アルマヴィーヴァ伯爵は、街で見かけたロジーナに一目惚れ!
ロジーナの家まで追いかけてきちゃいました。バルコニーの前で愛の歌を歌ってはみるものの、反応なし…。
でもどうしても諦められない伯爵。ロジーナに近づきたい一心で、何か良い方法はないかとフィガロに相談しています。
すると、家のバルコニーにロジーナが!
伯爵に向かって手紙を落としてくれました。手紙には、後見人のバルトロがロジーナを監視していて自由に部屋から出られないと書いてあります。
一方、後見人のバルトロは、ロジーナを追いかけている人がいることを察知して、すぐにでも自分がロジーナと結婚しておかなきゃ!と準備を始めます。
焦る伯爵。フィガロのアドバイスで、家に入り込むことにします。「宿泊許可証を持った軍人に変装すれば、家の中に入れるはず…!」
しかし、やってきた軍人姿の伯爵に対して、バルトロは「宿泊免除証を持っているんだぞ」と追い返そうとします。
そんなバタバタの追いかけっこの隙を見つつ、やっと会って話ができた伯爵とロジーナ。伯爵は自分の身分を隠して、「学生のリンドーロ」と名乗ることにしました。
その後も伯爵を追い出そうとするバルトロ。
バルトロのロジーナへの仕打ちにイラッとして、伯爵はついに刀を振り回し始めてしまいます。
そんな騒ぎを聞きつけて、軍隊が鎮静しにやってきました。
軍隊は、伯爵を逮捕しようとします。そんな軍隊に対してこっそりと身分証を見せる伯爵。
「. . . !」相手が伯爵の地位とあっては、軍隊といえども逮捕することはできません。
掌を返したように態度を変える軍隊を見て、他の面々は驚きのあまり固まってしまいます。
第2幕
さて、まだまだロジーナを諦めるつもりはない伯爵。今度は別の変装で家に入り込もうとします。
「ロジーナの家庭教師ドン・バジリオの具合が悪いので今日は弟子の自分が代わりに来ましたー!」
そこへフィガロも、理髪師の仕事でやってきます。
そして、つづいてやってきたのは、本物のドン・バジリオ!
フィガロにも手伝ってもらい、なんとか正体がバレずにドン・バジリオを帰すことに成功した伯爵。
が、結局はバルトロにバレてしまいます。
こうしてまた「すぐにでも自分がロジーナと結婚しておかなきゃ!」と思うバルトロ。「よし、こうなったら今夜中に結婚するぞ!」と準備を始めます。
そして、バルトロは、ロジーナに「リンドーロ(伯爵のこと)は、ロジーナを伯爵に売ろうとしている」と伝えます。ロジーナはその話を信じて、バルトロとの結婚を受け入れてしまいます。
さて、そんなバルトロとロジーナの様子など何も知らない伯爵とフィガロ。
夜になり、梯子をかけてロジーナのバルコニーに上ってきます。
ロジーナは2人が来たことを知ると「自分を伯爵に売るつもりだったのね」と非難します。
それを聞いて驚く伯爵。ついにロジーナに自分の身分を明かします。
そこへ誰かがやってくる音が…!
バルコニーから逃げようとしますが、なんと、梯子がなくなっています。立ちすくむ3人。
やってきたのは、結婚の公証人でした。バルトロが、ロジーナと結婚をするために呼んでいたのです。
フィガロの機転により、その書類で伯爵とロジーナが結婚の手続きをします。
そんなタイミングで家に戻ってきたバルトロ。当然、事態を知って一波乱。
でも、伯爵の身分を知って最後にはふたりの結婚を許します。
ドタバタポイント
こんな定番な感じのストーリーです。
ドタバタな演出が見れるコントシーンは、伯爵が変装してロジーナに家にいるときがメインです。
もちろん、真面目に(!) 愛を歌うシーンなどもあるので、オペラっぽさもちゃんと楽しめます。
『セビリアの理髪師』は人気のある演目で日本国内でもよく上演されているので、ぜひ探して行ってみてくださいね!
『セビリアの理髪師』の公演情報
舞台を見に行く
『セビリアの理髪師』は有名で人気もある演目なので、新国立劇場をはじめとして国内で定期的に公演がおこなわれています。
各公演会場では感染防止対策が採られているので、機会があればぜひ直接見に行ってみてください。
演出も感染防止に配慮して歌手たちの接触が少ないかたちに変更されていることが多いですが、特に違和感なく楽しめますよ!
家で楽しむ
おうちで楽しみたい場合は、DVDや映像配信の選択肢がありますよ。
こちらのDVDは特に評判がよくておすすめです。
『セビリアの理髪師』以外では、下の記事で紹介しているオペラも気軽に見ることができておすすめですよ!
あわせてチェックしてみてくださいね。
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