こんにちは!クラシック音楽好きのごつこらです。
久しぶりに友達と一緒にオペラ鑑賞に行ってきました。
友達をオペラに誘うとよく受ける質問があります。
クラシックって拍手のタイミングが難しいって聞いたよ。
しかも間違えると怒られるんでしょ?
どうしよう、自信ない . . . 。
そう。クラシックコンサートの拍手問題。
拍手しちゃいけないタイミングで拍手をして周りの人に嫌な顔をされたとか聞いたことがあるかもしれません。
でも大丈夫。拍手のタイミングは基本的にルールが決まっていて、別に難しくはないんですよ!
拍手のタイミングを1つずつ解説します!
これさえ見ておけば、自信を持ってオペラに行けるようになりますよ!
拍手をするタイミング① 指揮者が出てきたとき
オペラを観に行って一番最初に拍手をするのは「指揮者が出てきたとき」です。
オペラといえば歌手がお芝居をしながら歌っているイメージがありますが、オペラの出だしからいきなり歌手が歌うことはありません。
まずはオーケストラが出だしの部分の音楽を演奏して始まります。
オーケストラやその演奏をまとめているのが指揮者なので、指揮者が出てきたときにこれから始まるオペラに期待をこめて拍手を送るわけです。
では、指揮者は一体どこから出てくるのか?
実は指揮者は舞台の上には出てきません。指揮者は舞台の前にある半地下の「オーケストラピット」と呼ばれる場所に出てきます。
オーケストラピットは場所が低いし、中も薄暗くてよく見えないのですが、心配いりません。
オペラを主催している側の人が指揮者の登場に合わせて拍手を誘導してくれるので(つまりサクラですね)、それに合わせて拍手すればOKです!
拍手をするタイミング② 舞台の幕が下りたとき
続いての拍手するタイミングはとっても簡単!文字どおり「舞台の幕が下りたとき」です。
でも舞台の幕と言っても実は何重にもなっているんですよ。どの幕が下りたら拍手をすればいいんでしょう?
舞台の一番外側の幕「緞帳」が下りたとき
開演前の舞台にはベルベットのような生地の分厚い幕が下りていると思いますが、それが一番外側の幕で「緞帳」と呼ばれます。
オペラはシーンごとに「1幕」「2幕」…ともともと分かれていますが、この「幕」が終わったときに緞帳が下ります。
つまり緞帳が下りるのはその場面の終わりなので、拍手をするタイミングということになります。
まれに緞帳が下がってすぐにオーケストラが演奏を始めることがあります。
この場合は舞台上の背景などの転換の都合で緞帳が下がったけれど、オペラ上演側としては途切れないように演奏を続けたいときです。
もし演奏が始まったらそこで拍手はやめましょう。
「緞帳」以外の幕が下りたとき
舞台には緞帳以外にも様々な幕があります。
舞台上は想像以上に広いので、空間を区切るため、映像を投影するため、そのほかいろんな演出に幕が活躍します。
どのケースであっても、幕が下りるというのは場面の転換なので、そこまでの場面に対しての拍手を送っても大丈夫です。
ただし、例えば歌手が歌っている後ろで背景の転換のために幕が下りてくるなど、明らかに音楽や演技が続いているときは、拍手をするタイミングではありません。
そっか。
演奏が続くときは「拍手のタイミングじゃないよ」って教えてくれてるんだね!
拍手をするタイミング③ 歌手の見せ場が終わったとき
最後の拍手タイミングが「歌手の見せ場が終わったとき」です。
これがオペラ初心者を「拍手のタイミングよくわからない」と不安にさせてしまっている元凶でしょう。
そもそも「見せ場」っていうのがよくわからないんだけど . . . 。
そうだよね。でも心配しなくて大丈夫!
「見せ場」ってだいたい2パターンしかないんだよ。
ソリストが歌いあげる見せ場
よくある見せ場の1つ目は、配役表の上のほうに名前が載っているソリストが歌いあげるときです。
オペラは悲劇が多いので、主人公が悲しい気持ちを切々と歌い上げるシーンが代表的です。
あとは、高音を出したり、速いスピードでいろんな音程を行き来したりする技「超絶技巧」が含まれていたりもします。
「今の歌、すばらしかったよ」って拍手を送る感じなんだね!
ソリストたちの重唱の見せ場
よくある見せ場の2つ目は、同じくソリストたちが複数人同時に歌うときです。
それも、同じ歌詞を歌うのではなく、別の歌詞とメロディーを同時に歌う「重唱」が見せ場になっていることが結構あります。
たとえば『ばらの騎士』というオペラでは . . . 、
オクタヴィアンは、「ゾフィーへの愛」を、
ゾフィーは、「オクタヴィアンと、元カノのマリー・テレーズの関係についての戸惑い」を、
マリー・テレーズは、「オクタヴィアンを諦めてゾフィーとの関係を応援する気持ち」を、
3人が同時に歌っています。
それぞれの歌手がそれぞれの気持ちを表現して歌いあげていることに加えて、その絶妙なハーモニーに対して拍手を送っているんだよ。
番外編1 終演の拍手はいつまでするのが正解?
さて、オペラが最後まで終わると、出演者が全員舞台上に出てくる「カーテンコール」が始まります。
カーテンコールは端役の人から順番に出てきて舞台上に並び、最後に主役が登場します。
その間、観客はずっと拍手を続けています。(公演がすばらしいと思った人が多いほど拍手は長く続きます。)
更に演出家や指揮者も舞台上に上がって拍手を受けます。
問題はここからです。オペラなどをはじめて観ると驚くのですが、このカーテンコールがなかなか終わらない!
舞台上に出演者が勢揃いして、お辞儀をする。
↓
拍手は止まなくて、前まで出てきてお辞儀をする。
↓
拍手は止まなくて、また前まで出てきてお辞儀をする。
↓
幕が下りた!終わりかなと思いきや、また幕が上がって出演者はお辞儀をする。
↓
拍手は止まなくて、また少し前に出てお辞儀をする。
. . . という調子。
えー!そんなに続くの?
幕が下りたら、もう終わりだと思って油断して帰っちゃいそう!
これがいつまで続くかというと、その時の拍手の状況や会場の時間の都合次第なのですが、実はカーテンコールはもう終わりだよという合図があります。
それは、客席の照明が付いたとき。
上で書いたように、幕が下りても、また上がったり、出演者が幕の外まで出てきてカーテンコールが続いたりすることがあるので、幕の動きは参考できないんです。
この長ーいカーテンコール、私は様式美のようなものだと思っています。
時間の制約がある場合はカーテンコールの途中で帰ってしまっても大丈夫です。
オペラなので、拍手が続いても基本的にアンコールの演奏はありませんしね。
ちなみに、立って拍手をするスタンディングオベーションは日本ではあまり一般的ではありません。後ろの人が見えなくなるのを気遣うからかもしれませんね。
でもオペラはそもそも外国のものなので、スタンディングオベーションをして気持ちを表すのももちろんOKです!
どうかな?これで自信を持ってオペラを観に行けそう?
思ったより簡単な決まりなんだね!
「見せ場」っていうのがやっぱりちょっと難しいけど、周りの人に合わせて拍手してみようと思うよ。
もしこれからはじめてオペラを見る予定なら、ストーリーなどがわかりやすい初心者向けの演目がおすすめですよ!
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